産業廃棄物処理施設の設置許可(15条許可)とは?要件・手続き・変更届までポイント解説

  ヤマト行政書士事務所

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ヤマト行政書士事務所 代表 丸山政人
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✅ 産業廃棄物処理施設の設置許可とは(法第15条)

産業廃棄物の中間処理施設(破砕・脱水・焼却など)や最終処分施設(埋立場)を設置する場合、その施設の種類と規模によっては「設置許可(法第15条)」が必要になります。

廃棄物処分業許可と廃棄物処分施設設置許可の違いは こちらをご覧ください

 


 

🔷 設置許可が必要な根拠法

 

📘 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」

  • 第14条(処理業の許可)
     産業廃棄物を「業として処理(収集・運搬・処分)」する場合に必要となる営業許可。
     ➡ 他人の廃棄物を扱う場合に必要

  • 第15条(施設の設置許可)
     処理施設(破砕・脱水・焼却・埋立等)を設置する場合に、規模や処理対象に応じて必要となる施設単体に対する許可。
     ➡ 自社の廃棄物でも必要な場合あり

 


 

🔍 設置許可が必要な場合(15条)

  • 該当する施設を設置する場合は、第14条の処分業許可より先に取得する必要があります

  • 多くの場合、以下の法令や行政手続きも必要です:

    • 建築基準法第51条但書許可

    • 生活環境影響調査(アセスメント)

    • 都市計画審議会 など

 

📌 【表1】許可が必要となる処理施設一覧(処理能力基準)

以下の処理施設は、「処理能力が基準以上」または「特定の構造・規模要件」に該当する場合、法第15条の施設設置許可が必要になります:

廃棄物の種類 処理方法 処理能力(基準)
汚泥 脱水・乾燥・焼却 10m³/日以上 など
廃油 蒸留・焼却 10m³/日以上 など
廃プラ類 破砕・圧縮・焼却 200kg/h 以上など
廃酸・廃アルカリ 中和 50m³/日以上など
木くず・がれき類 破砕 20m³/日以上など

※ PCB・水銀等危険物を含む中間処理施設や安定型最終処分場・管理型最終処分場の設置には処理容量にかかわらず許可が必要。

 

 

 


 

❗設置許可が不要となる場合(例外)

  • 処理能力が小さいなど、政令で定める基準に満たない小規模施設の場合は、第15条の許可が不要

  • この場合、環境アセスメントや都市計画審議会の手続も不要

  • 結果として、許可取得までの期間が大幅に短縮される

 


 

✅ ポイントまとめ

種類 内容 対象
第14条許可 業として廃棄物を処理するための営業許可 他人の廃棄物を扱う場合に必要
第15条許可 一定規模以上の処理施設を設置する許可 自社・他社問わず施設に対して必要になる

 

 

 

 

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✅ 法第15条の施設設置許可に更新はあるの?

 

🔷 原則:設置許可に有効期限はない

  • 14条の処理業許可は5年ごとの更新制ですが、

  • 15条の施設設置許可は一度取得すれば、原則として更新は不要です。

 


 

✅ ただし、次のような場合には「再許可」または「変更許可申請」が必要になります

ケース 必要な対応 備考
✅ 許可後に処理能力を変更する場合 設置許可の「変更許可申請」 破砕能力を上げる、焼却炉の処理量を増やすなど
✅ 許可後に処理対象(品目)を追加する場合 設置許可の「変更許可申請」 木くず → 汚泥など、別の産業廃棄物へ拡張する
✅ 構造や設置場所の変更 「再許可」または「変更許可」 建屋や設備配置を変えるなども含まれる
✅ 許可者(事業者)が合併・分割したとき 「承継届」または再許可 法人が変わる場合も手続き必要
✅ 設置後5年以上経過し、構造・機能が変化している場合 指導により再許可を求められることも 実態調査などの結果による

 


 

✅ 実務上の注意点

  • 📩 「変更許可申請」が必要な変更を届け出だけで済ませると、無許可設置とみなされるリスクがあります。

  • 📋 変更許可申請には、「設計図面」「維持管理計画」「生活環境影響調査」などが必要になるケースも。

  • 🗓 多くの自治体では、変更前に申請し、許可取得後に着手することが義務です。

 


 

✅ まとめ

項目 内容
更新制 ❌ なし(期限なし)
許可の変更 ✔️ 処理能力・処理対象・構造などを変更する場合に必要
変更手続 「変更許可申請」または「再許可」
注意点 無断変更は行政処分や営業停止の対象に

 

 

 

✅ 施設設置許可における【品目追加】とは

処理施設で新たに別の種類の産業廃棄物を処理しようとする場合、**処理対象となる「品目の追加」**が必要になります。

これには、法第15条の変更許可(または軽微変更届)が必要になる場合があります。

 


 

🔷 法的根拠

  • 廃棄物処理法 第15条 第1項
     処理施設を「設置しようとする者」は許可が必要。
     ➡ 設置時の品目と異なる廃棄物を追加する場合は、「当初と異なる使用方法」とみなされ、変更許可の対象になる。

  • 施行規則 第12条の3
     処理施設の処理対象を変更する場合は、知事の許可または届出が必要。

 


 

🧭 品目追加の判断ポイント

判定基準 内容 必要な手続き
同一処理方法・同等の性状 既存の処理対象とほぼ同じ性質・**同じ方法(破砕・焼却など)**で処理できる場合 軽微変更届出で済む場合あり
処理方法が異なる/処理能力に影響 新しい品目が性状・処理方法・排出量などに影響を及ぼす場合 変更許可申請が必要
処理できるが施設構造の変更が必要 例えば「液体廃棄物」→「汚泥」のような場合 設備の構造に関わるため変更許可必須

📌 実際の判断は、各自治体の解釈や運用にもよるため、必ず事前に相談が必要です。

 


 

📄 品目追加時に必要な書類(変更許可の場合)

  • 変更許可申請書(様式第24号)

  • 設置場所の図面・構造図

  • 処理能力・処理方法の説明書

  • 処理対象物の性状に関する資料(安全性・安定性など)

  • 維持管理計画

  • 生活環境影響調査書(必要な場合)

 


 

🚨 注意点

  • 事後追加・無届は厳罰対象です。
    無許可で新しい品目を処理した場合、許可取消・業務停止処分の対象になります。

  • 「軽微変更」か「変更許可」かの判断が曖昧なケースでは、許可で申請しておく方が安全

  • 自社排出物だけを対象としていても、品目追加には施設許可の範囲変更が必要です。

 

 

 

✅ 「軽微変更」と「変更許可」の違いまとめ

区分 軽微変更(届出) 変更許可(申請)
法的根拠 廃棄物処理法施行規則 第12条の3 第1項但し書 廃棄物処理法 第15条 第1項・施行規則第12条の3
対象となる変更内容 許可内容の範囲内で、
構造や性能・処理能力に影響しない軽微な変更
処理対象の追加、構造変更、処理能力増加など
処理性能や維持管理に影響を及ぼす変更
– 同一処理方法で品目を追加(性状が類似)
– 配管やタンクの配置換えなど
– 書類上の表記微修正
– 新しい処理方式の導入
– 処理能力の増加
– 異なる性状の廃棄物を追加
– 施設構造の変更
手続き方法 変更後10日以内に届出 事前に変更許可申請を行い、許可を得る必要あり
審査有無 形式的な書類確認(自治体により簡易審査) 実質的な審査あり(場合により現地確認・アセスメントも)
提出書類 軽微変更届出書(様式第26号)
変更箇所の図面や説明資料など
変更許可申請書(様式第24号)
添付資料多数(構造図、維持管理計画、環境影響評価など)
許可までの期間 比較的短い(即日〜2週間程度) 長期間かかることも(1〜3か月程度)
注意点 届出で済むと自己判断しないこと
あいまいな場合は事前相談を
変更後に届出ではNG
無許可処理になると法令違反に

 


 

📌 判断に迷ったら?

「軽微変更か変更許可か」の判断は、最終的に都道府県や政令市の解釈によるため、必ず事前に確認を!

  • 内容によっては、当初は「軽微」と思っても、処理対象の性質の違いや処理方法の変更があると、「変更許可」が求められるケースが多いです。

  • 特に汚泥・廃油・廃酸・有害物含有物など、環境影響が大きいものを扱う場合は慎重に。

 


 

🟩 こんな場合はどっち?

ケース 区分
廃プラ → 同じ種類の廃プラを追加 軽微変更の可能性あり
廃プラ → 汚泥を追加 変更許可(処理方法や構造の違いがあるため)
焼却炉の処理能力を200kg/h → 300kg/hに増加 変更許可
タンクの容量は変えずに場所だけ変更 軽微変更(構造に影響なしの場合)

 

 

✅ 軽微変更届(施設設置許可における)

施設の構造・性能・処理能力に実質的な影響を及ぼさない「軽微な変更」は、変更許可ではなく届出でOKとされています。
ただし、「軽微と判断して無届にした結果、違反扱いになる」ケースもあるため、判断に迷ったら自治体へ事前確認するのが基本です。

内容 備考
(本社)住所の変更 法人本社・主たる事務所の所在地が変わった場合
氏名・名称の変更 法人名の変更や、代表者の氏名変更などを含む
役員等の変更 登記事項に係る取締役・監査役など、重要な役職の変更
施設の変更 処理能力に影響しない構造変更、性能に影響のない機器入替、配管や機器の配置換えなど
施設の休止 一時的に処理施設の運転を停止する場合(長期停止含む)
施設の再開 休止していた処理施設を再稼働させる場合
施設の廃止 処理施設の一部または全部を廃止した場合

 

✅ 提出部数について

  • 処理施設軽微変更届出は、3部提出が原則とされています(正本1部、副本2部)(自社、 リサイクル課 、 保健センター用 )

  • 提出先は、都道府県の「廃棄物リサイクル課」となります(1部は保健センター行)

 

📝 業務メモ

〒420-8601 静岡市葵区追手町9-6
くらし・環境部環境局廃棄物リサイクル課
電話番号:054-221-2426

 

 

 

✅ 法第15条許可施設における報告・記録義務【解説】

産業廃棄物処理施設(破砕・脱水・焼却・中和・埋立など)を設置・運営する場合、法第15条に基づく施設設置許可を受ける必要がありますが、運用開始後も、さまざまな報告・帳簿管理義務が課せられます。

本記事では、許可取得後に必要となる「報告書の提出」や「帳簿の作成・保存」などの実務義務について、静岡県などの実例も交えてわかりやすく解説します。

 


 

📌 年次報告義務(処理実績報告書)

法第15条第1項に基づく施設設置許可を受けて産業廃棄物処理施設を運用している事業者は、毎年度「処理実績報告書」を提出する義務があります。

項目 内容
対象施設 法第15条第1項に該当する施設(焼却炉、破砕機、脱水機など)
提出者 許可を受けた施設の設置者(事業者)
提出書類 処理実績報告書(都道府県指定様式)
提出期限 多くの自治体では、毎年4月〜5月末までに提出
報告内容 処理量、搬入量、搬出量、稼働状況、維持管理、測定結果等
提出先 都道府県または政令指定都市の環境部門(例:静岡県環境衛生課など)

📎 ※施設の処理実績が「ゼロ」であっても、報告書の提出は必要です。

 


 

🗂 帳簿の作成・保存義務(処理記録)

法第15条第1項に基づく施設では、日々の運転状況や処理実績を帳簿に記録し、5年間保存する義務があります(廃棄物処理法施行規則第9条の5などによる)。

 

✅ 主な帳簿記載事項:

  • 処理を行った日付

  • 産業廃棄物の種類・数量

  • 搬入・搬出の日時と相手方

  • 処理方法(破砕・焼却・脱水など)

  • 測定結果(温度・pH・排出ガスなど)

  • トラブル・異常時の対応状況

 

✅ 保存期間:

  • 原則5年間(都道府県によっては独自の規定あり)

📌 帳簿は電子データでも構いませんが、出力できる形式で保存する必要があります。

 


 

📝 注意点と実務アドバイス

  • 報告書未提出や帳簿不備は、重大な法令違反として行政指導や処分の対象になることがあります。

  • ✅ 各都道府県によって報告様式や記載内容が若干異なるため、地元自治体の要領を確認しましょう。

  • ✅ 帳簿作成は、日々の作業で記録しないと後から復元が難しいため、定期的な記入ルールを社内で徹底する必要があります。

 


 

💡 補足情報(法的根拠など)

  • 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法)第15条

  • 同施行規則 第9条の5(帳簿)・第12条の4(報告)

  • 各自治体の報告要領(例:静岡県産業廃棄物処理施設報告指導要領)

 


 

✅ まとめ

項目 内容
年次報告 「処理実績報告書」を毎年提出(様式指定あり)
帳簿義務 処理内容・日付・数量などを記録し、5年間保存
対象者 法第15条の施設設置許可を受けた全ての事業者
罰則 未提出・未記録は、指導・許可取消・刑事罰の対象になることも

 


📎 施設許可を取ったら、それで終わりではありません。
「日々の帳簿管理」と「年次報告」が法的義務として求められるため、許可取得後も継続的なコンプライアンス対応が必要です。

 

 

✅ 法第15条の施設設置許可を取得するための主な流れ(概略)

 

1. 【事前相談】

  • 都道府県の廃棄物担当課へ事前相談を行う

  • 設置予定の施設の処理対象・構造・能力が許可対象かどうか確認

  • 自治体によっては**「事前協議書」の提出**が求められる場合もあり

 


 

2. 【必要書類の準備】

  • 設置許可申請書(様式第24号)

  • 処理施設の設計図、構造図、配置図

  • 維持管理計画書

  • 生活環境影響調査書(対象施設・地域によって必要)

 


 

3. 【関係法令の確認】

  • 建築基準法(第51条但書許可など)

  • 都市計画法、消防法、水質汚濁防止法など

  • 各法令の規制と整合性が取れているか事前に確認

 


 

4. 【申請書の提出と審査】

  • 提出先:都道府県または政令指定都市の環境・廃棄物部門

  • 提出後、書類審査+技術審査

  • 必要に応じて現地調査・ヒアリングも実施される

 


 

5. 【許可取得】

  • 不備がなければ正式に設置許可(第15条)が下りる

  • その後、**処理業の許可(第14条)**の取得に進む

 


 

📝 注意点まとめ

  • 提出書類は20〜30種類に及ぶこともあり、行政書士など専門家の関与が一般的

  • 地域によっては住民説明会や周辺環境との調整も事実上のハードルとなる

  • 許可取得後も、構造変更・品目追加・処理能力増加の際には変更許可または届出が必要

 

 

✅ 産業廃棄物処理施設の設置許可(法第15条)申請に関わる主な関係者とその役割

役割 主な担当者 内容・業務範囲
① 申請の総合窓口(法的手続) 行政書士 – 許可申請書の作成・提出
– 添付書類(維持管理計画・設計概要書など)の整備
– 関係部署(県・市)との事前協議・調整
– 建築基準法51条但書、都市計画手続の連携
② 処理施設の設計・構造説明 機械メーカー/設計会社 – 破砕機・焼却炉などの機器設計図面
– 処理能力の根拠資料
– 各装置の仕様書・安全装置説明
③ 用地・建物の手配・造成 事業者(申請者)+施工業者 – 敷地の取得・造成
– 建屋・社屋の建築(場合によっては建築士関与)
④ 生活環境影響調査(必要時) 調査会社/環境コンサル – 大気・騒音・振動・水質等の事前測定・シミュレーション
– アセスメント報告書の作成
⑤ 法令照会・技術確認 都道府県(廃棄物リサイクル課など) – 手続きの適否判断
– 書類の受理・審査
– 現地確認(必要時)

 


 

💡 それぞれの役割ポイント

役割 内容
申請者(事業者) 計画主体。設置する責任を負い、行政・業者・行政書士をまとめる立場。
許可権者(都道府県など) 法第15条の審査・許可を担当。施設設置の可否を判断。
行政書士等の専門家 膨大な書類の整備、法的整理、行政との調整を代行。事前協議なども対応。
機械メーカー・建設会社 焼却炉、破砕機など施設本体の設計・製造・据付を担当。技術資料も作成協力。

 


 

📝 実務アドバイス

  • 書類だけ行政書士に依頼しても、技術面のサポート(構造図・処理工程図)はメーカー協力が必須

  • 事業者は「窓口」として全体進行をコントロールする役目。行政との調整役にもなる。

  • 設置許可が下りた後、処理業の許可(第14条)に進むため、2段階での準備が必要

 

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    ※本記事の内容は、執筆時点における制度・法令等に基づく一般的な情報を整理したものであり、すべてのケースに完全に適合するとは限りません。実際の手続や要件については、事前に管轄自治体又は当事務所にご相談いただくことを推奨いたします。    

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ヤマト行政書士事務所では、静岡県内全域にわたりご相談を承っております。主な対応地域は地元付近ですが、状況に応じて、ご希望があれば県内各地へ訪問も可能です。

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伊豆の国市・駿東郡(長泉町・清水町・小山町)・田方郡函南町・下田市

【中部地域】

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【西部地域】

浜松市・磐田市・掛川市・袋井市・湖西市・御前崎市菊川市・周智郡森町


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